学会案内

日本看護研究学会の歴史や組織などの情報を掲載しております。

理事長あいさつ

就任のご挨拶

 このほど、私儀、本邦で最初に設立された包括的看護学系学会である日本看護研究学会の理事長を拝命することとなり、深井喜代子前理事長よりバトンを引継ぎましたので、会員のみなさまに一言ご挨拶を申しあげます。
 本学会は広く看護学の研究者を組織し、看護学の教育、研究および進歩発展に寄与することを目的に発足いたしました。本学会の前身である四大学研究協議会は、教育学部特別教科(看護)教員養成課程を持つ熊本・徳島・千葉・弘前の4国立大学により、看護学の教育検討の目的で始まり、1975年に第1回学術集会として四大学看護学研究会を開催しています。また、1978年には雑誌創刊号が発刊されています。奇しくも、1978年は私が千葉大学看護学部に入学した年でもあり、これも何かのご縁と感慨深く存じております。

 さて、日本は今、新型コロナ感染症のパンデミックによる第7波のさなかにあり、一日の感染者数が20万人を大きく超える事態となっています。若者だけでなく、軽症とはいえ子どもの感染者も急増しており、新型コロナ感染の自宅療養者は過去最多の140万を超え、連日メディアで取り上げられています。感染者および濃厚接触者の急増は、勤務できない医療従事者の増加を招き、更なる医療ひっ迫/医療崩壊の危機から、対応策の変更を求める声も高まっています。
 加えて、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻の長期化から、国際関係の悪化や世界の人々の平和な暮らしが脅かされている事実にも危機感と共に心の痛みともどかしさを感じています。深井前理事長の就任のご挨拶にもありましたように、“私たちが専門とする看護学研究(Research in Nursing)は、その黎明期より「人間・健康・環境・看護(ケア)」にかかわる諸現象を対象とし、人が人らしくより健康に豊かに生きるためのヒントや糸口(説や理論)を探究し提案して”きました。このような困難な時期だからこそ、様々な課題解決に向けて看護学研究の力を発揮していきたいものです。
 最後に、前理事会では深井会長のリーダーシップのもと、大きな改革に取り組んでくださいました。例えば、学生会員制度の創設、実践研究活動推進WGの新規設置などです。いずれも若手会員の支援や育成、臨床とアカデミアの連携推進を意図した取り組みです。これらの方針は、今期理事会においてもしっかりと継承しつつ、会員のみなさまへの意味ある還元ができる学会運営を心がけて参りたいと存じます。
 経験不足・力不足ではございますが、誠心誠意努めさせていただく所存ですので、何卒、ご支援、ご指導、ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。
 以上、伝統ある日本看護研究学会の代表として、また、看護界への恩返しの気持ちで誠心誠意努めさせていただく所存であります。何卒、ご支援、ご指導、ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。

 2022年8月 

一般社団法人 日本看護研究学会 
理事長 浅野みどり