学会からのお知らせ

日本看護研究学会主催から会員の皆様に向けて情報を発信しております。

第124号 (2023年1月20日発行)

学術集会を終えて今思うこと

一般社団法人
日本看護研究学会第48回学術集会
会長 中西 純子

第48回学術集会をハイブリッド開催した8月27日(土)・28日(日)から約2ヶ月が経ち,はや冬の足音が聞こえる頃となりました。先日,延期しておりました中学生向け企画「ナーシング・トーク&トーク」を無事開催することができ,これをもって,第48回学術集会はすべてのプログラムを終了いたしました。
振り返りますと,学術集会会長を拝命し,準備を開始し始めた頃には,ここまでコロナ禍が長引いているとは予想もせず,現地開催を前提にいろいろな企画を考えておりました。しかしながら,感染の波が繰り返され,先行きが不透明ななか,何度も計画を立て直すこととなり,特に,予算案は現地のみ開催,ハイブリッド開催,WEB開催により金額が大きく異なるため,頭を悩ませました。最終的にハイブリッド開催と意思決定しましたが,最も予算がかかる開催方法となり,そのため,心苦しくはありましたが参加費を値上げさせていただきました。幸い,コロナ禍と値上げにもかかわらず,933名の方にご参加いただき,また,看護関係及び大学関係者や企業様から多くの協賛やご寄附もいただくことができ,大変感謝しております。運営会社と会場管理団体にも便宜を図っていただきました。準備・運営上は大変なことが多々ありましたが,ハイブリッド開催には現地で顔を合わせて交流できる喜びとともにオンデマンドを含めるとすべてのプログラムにもれなく参加できるメリットがあり,主催者としましてはハイブリッドで開催できて良かったと思っております。今後はコロナ禍に関わらず,学術集会の開催方法として幅が広がるのではないかと感じています。
さて,第48回学術集会のテーマは「実践と研究の往還で紡ぐ-看護の知」でした。研究と実践が行ったり来たりしながら看護の知を積み上げていくためのヒントを得ようと,プログラムには特別講演,研究方法に焦点を当てた教育講演3題,シンポジウム,リレートーク,日本薬理学会との共催セミナー,本学会の委員会からの演題5題を企画し,社会貢献活動としては「人類とウイルスの共存」と題する市民公開講座を開催し,それぞれ会場参加,LIVE視聴&オンデマンド視聴のいずれかの方法でご参加いただきました。一般演題は口演74題,示説119題,交流集会10題のご発表をいただきました。口演発表の演者の方には,事前に録画データも作成していただき,例年にないご苦労をおかけしました。
第48回学術集会を企画するにあたり,世界に向けた先駆的な発信は企画できませんでしたが,愛媛での初開催ということもあり,愛媛発祥の取り組みや誇るべき文化・特産品等とコラボさせたいとの思いがありました。そこで,参加者の皆様には水引細工で作ったシトラスリボンのストラップを記念品としてお送りしました。シトラスリボン運動は,誰もが「ただいま」「おかえり」と言い合える笑顔の暮らしを取り戻せる社会に,そんな願いを込めて愛媛から生まれた運動です。ひとの居場所である「地域・家庭・職場(or学校)」を三つの輪で表わしています。コロナ禍やウクライナ戦禍など,1日も早い収束を願う気持ちを込めました。水引でこのストラップを作ってくださる方をネット上で探し,北海道に在住のある方にオーダーしたところ,この方の本業はなんと看護職でした。そこで本学術集会の記念品にしたいという私からの申し出に快く応じてくださり,本業の訪問看護の傍ら,お一人で1,000個作ってくださいました。
もうひとつ,アトラクションとして会場で披露していただいた高校生による書道パフォーマンスも愛媛発祥のもので,私が是非,参加者の皆様に生で見ていただきたいと熱望していた企画でした。コロナ感染の急拡大により,実は,直前まで実現できるかどうかハラハラしましたが,大きな拍手に包まれ,高校生たちの書とパフォーマンスに懸ける熱い思いは来場の皆さんに伝わっていたことと思います。
こうして,学術集会運営に携わった関係者のみならず,いろいろな人の思いが紡がれ開催できた学術集会だったのではないかと感じております。改めまして,ご参加の皆様,ご協力・ご支援くださいましたすべての皆様に,こころより御礼申し上げます。

学術集会事務局を経験して

一般社団法人
日本看護研究学会第48回学術集会
事務局担当 仲田 琴美
(愛媛県立医療技術大学)

第48回看護研究学会学術集会は,2022年8月27日(土),28日(日)に松山コミュニティセンターでの現地とオンラインでのハイブリッドで開催いたしました。
開催に向けて,中西純子学術集会会長により2020年にコアメンバーが集められ,私は事務局担当として参加することとなりました。私自身,学会の企画などに関わった経験が無かったこともあり,当初は役割が務まるのだろうかという思いがありました。また,COVID-19の拡大により,見通しが立たない状況での準備に不安もありましたが,オンライン開催となることも視野に入れながら,現地開催を目指して準備を始めました。運営事務局のスタッフとも直接会うことができない中,オンラインでの打ち合わせを重ね,何度も開催方法を検討しました。
私が学会の企画に際して苦慮したと思うことの1つは,演題発表方法についてです。現地開催を決定しても,感染拡大状況によって,急遽オンライン開催に変更しなくてはいけなくなる可能性がありました。そのため,オンラインになった場合に対応できるよう演題発表者の皆様に事前にデータを提出していただくことにしました。オンラインの準備を並行して進めていくため,開催日時よりも早期にデータを提出していただくこととなり,発表者の皆様にはご負担をおかけしたと思います。皆様のご協力に感謝いたします。
2つ目は,現地開催とした場合に来場できなくなる方々への対応です。現地での発表,講演を決断してくださった方の中にも,感染状況の拡大により急遽参加できなくなる場合があることも予測でき,当日までどなたが参加できなくなるか分からない状況で,連絡が入り次第調整していく必要がありました。実行委員やボランティアとして協力を申し出ていただいた皆様にも,直前の役割変更などをお願いすることがあったにも関わらず,皆様快くお引き受けいただき,感謝申し上げます。
3つ目は,オンライン,現地参加どちらの参加者の方にも意義のある学会とすることです。内容は参加方法の違いに関わらず皆様に楽しんでいただけるものにしながら,感染のリスクもある中現地参加を決断いただいた方々に,制限内でどのようなおもてなしができるのかを考えていく必要がありました。後にオンデマンド配信も行いましたが,現地開催した書道パフォーマンスは,発祥の愛媛県立三島高等学校の部員に実演していただき,現地での迫力あるパフォーマンスやメッセージは心に差し迫り,現地開催できて良かったと感じることのできる場面の1つとなりました。
8月27日(土),28日(日)の 現地開催当日も,演者の欠席など急な対応もありましたが,各セクションで情報共有しながら,2日間の中でも実行委員・ボランティアの連携が深まっていくのを感じ,大変心強かったです。また,現地参加いただきました皆様からの久々の再会を喜ぶ声や,温かいお声掛けに心温まりました。
今回,看護研究学会では初の試みとなるハイブリッド開催となりましたが,コアメンバーとして初期から参加させていただけたことで,これまで学会を開催されてきた皆様のご苦労を身に染みて感じ,47回積み重ねてきたことの重みを改めて実感いたしました。これまで看護研究学会を支えてこられた皆様に敬意を表します。
学術集会を終えた今,準備からこれまでを振り返り,事務局として今まで交流のなかった多くの方々と関わりを持てたことが,私の1番の財産であると感じています。至らぬ点も多く,ご迷惑をお掛けしたことも多々あったことと存じます。それでも,理事・会員の皆様,ご参加いただきました皆様,協賛いただきました企業の皆様,実行委員・ボランティアの皆様,運営事務局の皆様など学会に関わっていただいた全ての方々のご協力により無事開催することができましたことに,心より感謝申し上げます。多くの貴重な経験をさせていただき,誠にありがとうございました。皆様の臨床・研究と,看護研究学会のますますのご発展をお祈りいたします。

第48回学術集会印象記

県立広島大学
黒田 寿美恵

第48回学術集会は,2022年8月27日(土)から28日(日)にかけて,松山市総合コミュニティセンターを会場として,会場参加,オンラインでのライブ配信,オンデマンド配信を組み合わせたハイブリッド方式で開催されました。プログラムは,現地会場のみ,現地会場とLIVE配信の併用,オンデマンド配信のみ,と参加形態が分かれており,また,現地会場とLIVE配信の併用プログラムの中には,録画コンテンツを後日オンデマンド視聴できるものもあり,時間帯が重なって参加できなかったプログラムや,再度見直したいプログラムを後日あらためてゆっくりと視聴できました。長引くコロナ禍で,全面オンライン開催の学術集会も多いなか,現地開催を決断してくださった学術集会長の中西純子先生をはじめ,関係の皆様に厚く御礼申し上げます。8月末のこの時期は,新型コロナウイルス感染症第7波のピークを過ぎたとはいえ,心配している参加者向けに現地での感染対策を万全に行うこと,あるいは,無理せずオンライン参加に変更できることについてご連絡をくださり,安心して参加できた方が多かったのではないかと推察しています。私は,一般演題の座長を拝命していたこともあり,PCR検査の陰性を確認したうえで現地で参加し,また後日オンデマンド配信を視聴しました。
会長講演「看護の知を紡ぐ:実践と研究の往還で一歩先へ」は,学術集会長である中西純子先生の研究者・教育者としての軌跡を,研究成果を実践にどう活かしてきたか,看護の知を学生や臨床看護師にどのように教育・啓発してきたかという観点からお話してくださいました。私も長らく大学教員の立場から看護に携わってきていることから,先生の講演を拝聴しながらこれまでの自分自身の実践と研究の往還についても振り返り,今後の活動への勇気をいただきました。
東京大学大学院医学系研究科の山本則子先生による教育講演I「臨床現場から看護実践の知を創り出す事例研究」は,楽しみにしていたプログラムの一つでした。山本先生が開発されている「ケアの意味をみつめる事例研究」は,現象学や臨床心理学,教育学などを基盤とした事例研究の一方法で,研究の進め方が明確でプロセスが系統的に示されているため,臨床の方々も取り組みやすいと感じました。本手法はつぎなる実践に役立つ知を作ることを目的とされているとのことで,実践を大切にされている山本先生の思いをしっかりと受け取りつつ,看護実践の向上に寄与する有益な事例研究方法としてワクワクしながら拝聴しました。
教育講演III「看護学における多変量解析による現象の解明へのアプローチ」は,「看護学のための多変量解析入門」の著者である聖路加国際大学大学院看護学研究科の中山和弘先生が講師でした。多変量解析の中心(コア)にあるものを"見える化"するために,円の重なりを使ったベン図を使って理解することが重要であるということが,腑に落ちる形で理解できました。私は質的研究を主な研究手法としていることから,統計解析は基本的なことしか理解できていませんでしたが,多変量解析を利用した論文の図表を批判的に読めるように,さらに勉強したいという思いを強く持ちました。このプログラムはオンデマンド配信により視聴したため,聞き逃した箇所やメモが取れなかった箇所を再度見直すこともでき,それにより一層理解が深まりました。
リレートーク「語り合おう!看護の知と看護実践」は,愛媛県の専門看護師・認定看護師および看護管理者の優れた実践を"看護の知"の活用に焦点を当てて全国に発信していきたいという趣旨の企画でした。患者や地域のために試行錯誤しながら新たな看護実践を創り上げてきた情熱とその手応えが,3名の発表者それぞれから伝わってきました。このプログラムには現地で参加したのですが,非常に元気をいただいたので,後日オンデマンド配信でも視聴しました。
編集委員会企画「看護学の新たな知の構築:受理される論文執筆のために何が必要か」は,和文誌の「日本看護研究学会雑誌」と国際英文誌の「Journal of International Nursing Research(JINR)」の両方に対する説明が聞けるとのことで楽しみにしていました。投稿論文の実際の査読期間,採択率などの情報,また,査読委員の評価が割れた場合はアクセプトする方向で検討しているという前向きな情報も得ましたので,学術集会後には所属する大学の教員や大学院生,修了生等に幅広く伝達しました。
一般演題の口演は,会場での発表(オンライン配信なし),演者が現地参加できない場合は事前提出動画を会場で投影する形で行われました。私が座長を担当した群は全員が現地で発表し,会場からの質問も多くあり,活発な意見交換ができました。一般演題はオンデマンド配信もされており,現地参加ができなくとも最新の研究成果に触れる機会を得ることができるようになっていました。コロナ禍で思うようにデータ収集が進まないことも多かったと思いますが,研究を進めてこられた皆様に敬意を表します。
地元の高校生による書道パフォーマンスの企画もありました。コロナ禍で練習も制限されていると思いますが,元気な掛け声と躍動感あふれるパフォーマンスに学術集会の参加者全員が見入っていました。
最後になりましたが,学術集会長の中西純子先生,事務局長・実行委員長の松井美由紀先生をはじめ,企画・運営に携わってくださった皆様にあらためて感謝申し上げます。ハイブリッド開催は準備も当日の運営も非常に労力を要するものですが,現地参加かオンライン参加か,という選択肢を残してくださったことで,非常に楽しく,実りある学術集会への参加となりました。

リレートーク

第48回学術集会印象記

愛媛県立子ども療育センター
豊﨑 幸子

新型コロナウイルス感染症の影響を受け,これまで多くの学会が中止あるいはWEB開催となっていました。しかし今回,一般社団法人日本看護研究学会第48回学術集会は松山市総合コミュニティセンターでハイブリッド開催となりました。私自身約3年ぶりの現地参加の学会でした。事前にいただいた参加券の封書には愛媛発祥のシトラスリボンが同封されており,コロナ禍の一日も早い終息を願う学術集会会長中西先生をはじめ学会事務局の皆様の思いを感じました。
第1日目は,松山市立子規記念博物館 総館長竹田美喜先生の特別講演「子規・病牀六尺の世界とチーム・ケア」を拝聴いたしました。正岡子規は,愛媛県松山市で生まれた俳人で,日本の近代文学に多大な影響を及ぼした,明治を代表する文学者の一人です。子規は肺結核を患い,脊椎カリエスで34歳の生涯を閉じました。今回の竹田先生の講演で,子規が晩年,病床で,門下たちから「チーム・ケア」を受けていたということを知り,とても感動しました。明治時代にしかも在宅で行なわれていたのです。寝たきりの病気となると,多くは忌み嫌われるところ,当時門下たちは,毎日関わりました。「看護輪番表」を作成し,1週間のうち6日,チームで看病したのです。私なら,即,緩和ケアの発想ですが,このチームは子規が絵や文章を書くことができる環境を整え,たとえ病床であろうとも子規の生きがいを活かすことに注力しました。また,門下たちは,介護を担っていた子規の母親や妹にも気を配り,ある時は,土筆取りに誘ったこともありました。春の柔らかい暖かい日差しを背に受けながらプチプチと土筆を取る。帰れば,指先を茶色に汚しながら袴を取り,そして甘辛く煮る。こうした家族の楽しみはそばで見ている子規の楽しみにもなり,双方が穏やかな気持ちになります。この特別講演から,1.病気を正しく恐れること,2.チームで関わることの大切さ,3.最期まで生きる心を持つ,鼓舞する関わり方,4.介護する人にもケアをすることが患者の安寧につながることを改めて学びました。
第2日目は,「リレートーク-語り合おう!看護の知と看護実践-」を拝聴いたしました。まず,愛媛県立中央病院緩和ケア認定看護師 西谷恵さんは,「専門性を高めることで得た看護の力」と題し,病棟でのお話をされました。ご自身の知識を現場の看護にどのように活かしていけばよいかを考えるとき,一緒にチーム看護をするスタッフをどのように巻き込んだらよいか,という視点で考えておられるとのことでした。私たちは理論に患者をあてはめて分析しがちですが,目の前の患者と向き合い,根拠のある実践を積み重ねていくことが大切で,それが,自分自身の力となり,周りを動かす力にもなる,と言われていました。専門的だからといって一方的に「伝える」のではなく,一緒に考える姿勢が大切だということを改めて実感しました。次に愛媛大学大学院医学系研究科看護学専攻助教/地域看護専門看護師 吉田美由紀さんは,「実践知からその先へ-その人らしさを地域で支えるために-」と題し,これまで担われた数々の現場でのお話や研究のお話をされました。吉田さんは以前,臨床実践の場で緩和ケア研修会の講師もされていましたので,これまでに何度もお目にかかる機会がありました。このたびは「久しぶりに吉田さんにお会いできる」と楽しみにしておりました。今回のお話では,1.実践知と科学的根拠と教育のトライアングル,2.在宅緩和ケアにおいて,看取りのあり方は様々である。自分たちの価値観の押し付けではいけない,3.人を育てるためには「伝える」だけではなく,「問いかけ」が重要である,4.何事においてもまずは相手の思いを引き受ける,ということが,心に残っています。また,様々な研究結果をどのように現場に活かすかが,今後の課題だと言われており,共感しました。とても興味深く思っています。最後に医療法人朝陽会美須賀病院総師長 重見美代子さんは,「"看護の知"で変化した看護と病院-ある中規模病院の挑戦-」と題し,看護管理者としてのお話をされました。重見さんの「地方の小さな病院から日本の看護を変える」という思いや「患者さんのために,スタッフのために」という思いが,熱意となって終始,とてもよく伝わってきました。重見さんの「伝え方」は「体験させる」ということでした。「て・あーて」「ノーリフティングケア」はいずれも技術であり,技術においては「体験」が効果的であることは,私も経験上,頷けました。学会直後,「て・あーて」がとても気になり,さらに調べました。結果,「熱布バックケア」を「熱布首肩ケア」に縮小して,自部署の一部のスタッフ間で「体験」するという機会を設けました。「熱布バックケア」に至らなかったのは,実施する時間や場所に制約があったからです。しかし,実施したスタッフ全員が「あー,気持ちがいい」「サロンみたい」「アロマオイルをお湯に入れたらもっと癒されますね」と言いました。首と肩だけでも気持ちが良いことがわかりました。これが,背部全体に覆われたなら,さらに気持ちが良いことは想像に難くないでしょう。実施したスタッフが,この心地よい体験を是非とも患者さんのケアに活かしたいと感じ,行動を起こし,実践に繋がることを期待しています。
第2日目,愛媛県立三島高等学校書道部による書道パフォーマンスを拝見いたしました。この高校がある四国中央市は愛媛県の東端に位置し,紙関連の製造品出荷額日本一として知られています。「書道パフォーマンス」は2008年に前記高等学校書道部員たちが,高校の文化祭や地元のイベントで音楽に合わせて大きな紙に歌詞を揮毫する「書のデモンストレーション」として披露したのが始まりです。紙のまちならではの書道大会は全国大会に発展し,映画化もされました。やはりLive演技は壮大です。パフォーマンスそのものにも思わず息を呑む瞬間がたくさんありましたが,完成した書「紡」が掲げられた時には,さらに感動しました。
今回,会場に足を運び,場を共有し,空気を感じ,雰囲気を味わうことができました。発表者の緊張感,参加者の真剣さ,会場の和やかさ,それら全てに視線を送ることができ,様々な意味で視野が広がりました。改めて現地開催の意義を感じました。本学術集会会長をはじめ,運営組織内の各委員長,各員の皆様に深く感謝申し上げます。今回の学術集会のテーマである「実践と研究の往還で紡ぐ看護の知」。立場や分野を超えて看護の知を伝え,それが伝わり,形となって未来に紡がれていくことを願います。

書道パフォーマンス

第49回学術集会開催のご挨拶

一般社団法人
日本看護研究学会第49回学術集会
会長 叶谷 由佳
(横浜市立大学医学部看護学科老年看護学領域 教授)

一般社団法人日本看護研究学会 第49回学術集会の大会長を務めることになりました横浜市立大学医学部看護学科老年看護学領域の叶谷です。
第49回学術集会は2023年8月19日(土)~20日(日)に完全オンラインにて開催させていただきます。
一般社団法人日本看護研究学会は看護系学会の中でも歴史が古く,源流となる4国立大学の連絡協議会が発足されたのは1970年であり,学術集会は半世紀を迎える第50回の前年にあたります。一般社団法人日本看護研究学会は看護学における研究の発展に長く貢献していると言っても過言ではないと思います。
このような中,2019年からコロナウイルス感染症拡大の影響を受け,社会全体が翻弄されてきました。しかし,このことによって様々な変革が進んできました。会議や講義はリモートやオンラインが進み,学術集会もオンラインやオンデマンド,ハイブリッドという開催方法の多様化が進み,それによるメリットも見えてきたように思います。それらの経験を活かして,新しい学術集会の形として第49回学術集会では完全オンラインでの開催としました。企画委員会もオンラインで行うこととしたため,全国にいる企画委員の先生に参加いただいています。また一般社団法人日本看護研究学会の特徴でもあります地方会の代表の先生にもご協力いただいています。
学術集会のテーマは「看護の可能性の探求」としました。看護職はいつの時代も様々な分野で貢献してきました。コロナ禍で,看護の重要性はさらに認識されたと思います。しかし,看護の可能性はまだまだ無限だと思います。例えば,看護学を医療だけではなく,他分野でも応用する余地があると思いますし,他の研究分野と共同することでもっと幅広い研究に発展する余地があると思います。第49回学術集会では,社会への貢献度をさらに高めていくために,看護を探求し,発展させる場を提供していきたいと考えます。
詳細については学術集会ホームページをご確認ください。
多くの皆様のご参加をお待ちしております。

一般社団法人日本看護研究学会第49回学術集会ホームページ

一般社団法人日本看護研究学会第49回学術集会ホームページ