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今回の福井・北陸地方の豪雪災害について2018/02/28(水) 17:05:07 RSSにてレス一覧を表示
福井県立大学 看護福祉学部 普照早苗さん
クリックにて拡大表示 今年に入り、1月・2月と全国的な大寒波に見舞われ、先日の福井・北陸地方の豪雪災害については、皆様も既にニュース等でご存知のことと思います。各方面から、ご心配やお見舞いの声を頂きありがとうございました。不幸にも亡くなられた方が10名以上、けが人100名以上、その他あらゆる方面での被害が日を追うごとに報告されています。予想だにしない37年ぶりとも言われる豪雪に、北陸地方、特に、福井県ではまだまだ通常の生活に戻れない住民の方々が多くいらっしゃいます。
 本学は、今回特に降雪の多かった永平寺町にキャンパスがあります。当日はまたたく間に身長を超える程の雪が降り積もり、周辺道路、駐車場等が真っ白に埋め尽くされました。被害が最大となった2月5日からの週は、大学全体の定期試験や看護実習期間でもあり、学生・教職員ともに車で移動する者たちは、普段から主要幹線道路の国道8号線を利用していたため、今まさに遭難するかもしれないといった落命の危険を感じながら過ごした時間でした。約1500台もの車の立ち往生の中にいた方もいました。先の見えない状況の中、車中で過ごされた方々の不安・苦悩・苦痛を思うと今でも心痛がやみません。
 私は、今期間自身が担当する在宅看護実習の調整のため、4か所の訪問看護ステーションと連絡を取り、随時状況確認を行なっていました。当然、実習はこの1週間中止、大学への交通も遮断されていたため学生も教員も自宅待機です。まずは学生の安全確認ができ、各訪問看護ステーションへ電話・メールで状況確認をしたところ、大変な状況下でありながら次のようにお返事頂きました。
 「訪問看護師が自宅から職場までとても来られない状況である」「玄関が雪で埋まって外に出られない」「車が出せないので、スコップを持参して雪をかきながら徒歩でステーションに辿り着いた」「一旦ステーションに来たら、家に戻れないので数日職場に泊まった」「幸い車で来れたが、普段30分で来れるところを5時間かけてきた」「職場に来れた看護師だけで、とにかく利用者全員へ安否確認の電話をし状況を聴きとった。優先的に訪問の必要な方に対象を絞って徒歩で訪問した」「訪問の途中、雪に埋まった見知らぬ人も助けながら行った」等々でした。
 この非常時に実習をお願いするのは本当に心苦しい立場でしたが、現場の訪問看護師の方から「天候さえ回復すれば、来週から実習生を受けられます、大丈夫です。学生さんも大変な時に実習に当たりましたね。こういう災害時の訪問看護も貴重な機会として学んでほしい」とあたたかく頼もしいお言葉を頂き、涙が出る思いでした。まだ交通事情は悪いままでしたが、それでも翌週には連続4日間の在宅看護実習を実施することができ、学生にとっては生涯に何度もない本当に貴重な学びの機会となりました。
 今後は、今回のような豪雪災害時の訪問看護活動について、現場-大学が協力して対策を検討し、活躍された訪問看護師皆様の疲弊に対してアフターフォローも同時に行うべく、只今準備中です。いずれそのご報告もさせて頂きたいと思います。
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