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コロナ禍での教育と研究について2020/09/28(月) 13:22:29 RSSにてレス一覧を表示
公立小松大学・佐藤大介   さん
 近畿・北陸地方会の皆様、はじめまして。公立小松大学の佐藤と申します。
 本学は、2018年度に開学した大学です。生まれも育ちも宮城県であった私が、縁あって石川県に来ることになり、当初は不安もありましたが、多くの人との出会いや多様な考え方、また北陸の文化に触れることで、自分自身が成長したかなと思っております。こちらに来て早2年半が経ち、だいぶ石川の地にも慣れてきました。
 
 本学では1期生の3年生が8月下旬から開始となった学内実習の真っ只中にあります。新型コロナウイルスによる影響を考慮し、臨地での領域別実習がすべて学内実習に切り替わりました。それまでの実習では、実習=臨地(病院等)で行うことであり、実際に入院されている患者さんを学生が担当させて頂くことに思いを巡らせることはありませんでした。しかし、コロナ禍によって学内実習を実施している現状からすると、いかに以前の臨地実習が恵まれた環境下であったかを実感しております。どうしても以前と比べますとマイナス面ばかりに目が行きがちで、教員の実習に対する負担は非常に大きなものになっております。ただプラス面も実感ができております。改めて実習の目的・目標がディプロマポリシーや学生にとって適切なものになっているのか、それらを達成させるため、どのような実習を組み立てる必要があるか、自分たちの教育を見つめ直すきっかけとなりました。周手術期の実習では、実際の患者さんを担当する学生にとって、過緊張と展開の速さで現状を理解することが難しい環境となる場合が多いです。しかし学内実習では学生の特性や準備状況に合わせて紙上事例の展開を変更することも可能であり、学習効果としてプラス面となるとも考えております。創意工夫をしながら、臨地での実習に近づけるように努力をしている毎日です。
 研究についてですが、大学院での生活が自分の研究者としての基盤となっております。もう修了して4年以上が経ちますが大学院での学びは、それぞれの学生の能力や志、資質を磨き上げ、自らと社会の未来を切り開くための素地を養うものであったと感じております。人はそれぞれ大きな可能性を有しながら、不完全な存在でもあります。そんな人同士が、学びの場で時間と空間を共にして、相互に磨き合い、成長していくプロセスが大学院にはありました。現在取り組んでいる情報は、院生時に取り組んだ遠隔看護による前立腺がん患者への介入方法をいかし、「外来化学療法中のがん患者に対する症状の増悪予防を目的とした遠隔看護システムの開発」というテーマで研究を進めております。医療の支援提供の場は、入院中や外来だけでは困難な状況であり、医療機関から離れた在宅での支援システムの構築が必要であります。情報通信技術の飛躍的な進展と、オンライン診療の保険適用化、そしてこのコロナ禍など、近年医療を取り巻く環境は大きく変化をしております。現在取り組んでいる研究によって、がん患者がより豊かで、より幸せな人生を送ることができるように、幅広くきめ細やかな支援方法を確立できるように日々頑張っていきたいと思います。
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