北海道地方会
北海道の看護研究者・看護職者向けに、学術集会・セミナーなどの開催といった活動を行う地方会です。
学術集会の報告
一般社団法人日本看護研究学会 第33回北海道地方会学術集会のご報告
令和7年7月19日(土)、「看護と介護のほとりに集うー臨床と教育・研究の融合」をテーマに一般社団法人日本看護研究学会第33回北海道地方会学術集会を札幌市立大学大学院棟大講義室にて開催いたしました。本学術集会は対面開催で行い、97名(会員40名、非会員55名、学生2名)のご参加を頂き、盛会のうちに終了することができました。
本年は、「2025年問題」として、地域包括ケア政策推進の一つの目標とされてきた年です。病気の原因を追究し病気を治す、治療することを目的としてきた「治療医学」の時代「病気の世紀」から、大きな転換が求められています。病気と共存しながらQOLの維持・向上をめざす「治し支える医療」、地域包括ケアシステムの実現が望まれています。医療の機能分化や地域との連携が求められて久しくなりますが、医療・看護が社会の要請に応えられているのかという問いが残っているように感じられます。治し支える医療への転換には、在宅医療の推進が必要と言われています。本学術集会では、臨床実践者、研究・教育者などそれぞれの立場から、これらの課題を検討したいと考えました。参加者の皆様が「ほとり」に「集い」共に考える場となることをねがい、本会のテーマを設定しました。
基調講演では、「困難を抱える方々を支える医療・福祉・教育・行政等との連携と協働」をテーマに、子供在宅ケアネットワークの活動を通した具体的な取り組みや、地域社会における多職種連携について札幌西円山病院の御家瀬真由先生にお話しいただきました。サブテーマに掲げた「臨床と教育・研究の融合」の実際をお聴きし、参加者一同が深い感動に包まれる内容でした。また、パネルディスカッションでは、地域における多職種連携について、多様な専門分野の発表者から具体的な実践例や視点が示されました。地域で活動している参加者とのディスカッションがありました。一般演題では、看護基礎教育や高齢者を対象とした研究、退院支援や地域看護に関する研究成果が発表されました。熱心に一つ一つの研究に対して、質疑が繰り広げられました。
本学術集会では、広い視野を持ち看護と介護について考え、地域における多職種協働を議論する機会となりました。このような貴重な学術集会を滞りなく終えることができましたのは、ご参加いただいた皆様、ご協賛いただいた企業、北海道地方会役員、そして企画・実行委員会委員、皆様のご尽力の賜物であると深く感謝申し上げます。