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地域の防災・減災と看護の力2019/09/27(金) 08:41:29 RSSにてレス一覧を表示
奈良学園大学・田場真理さん
 今年も集中豪雨など、自然災害の多い夏でした。そして、とっても暑い夏でした。
 8月末の雨の後、もしかしてこのまま秋に突入かと思いきや、まだまだ残暑冷めやらぬ状態で9月に突入しています。この暑さ自体が、災害級です。
 さて、災害と言えば、2011年の東日本大震災をはじめ、2014年8月豪雨による広島市の土砂災害や2016年の熊本地震、そして2018年の北海道胆振東部地震などは、皆さんの記憶にも新しい大災害だと思います。直近では、9月9日に関東地方に上陸した台風15号による災害で、木更津(千葉)の友人宅は、5日間に渡り停電が続くだけでなく、通信網も遮断され、大変な状況とのことでした。
こういった災害に備えて、みなさんは、防災対策をきちんとされていますか?また、皆さんの職場や地域ではきちんと防災対策がなされていますか?

 阪神・淡路大震災や東日本大震災の教訓からは、防災・減災への取り組みは、自助だけでなく共助が大切と言われています。阪神淡路大震災では、震災後のボランティア活動が脚光を浴びましたし、東日本大震災では、お互いを気にかけて状況や困りごとを聞くなどの関係性を「絆」という言葉で表され、その重要性がクローズアップされました。
 そういったことも影響してか、私の住んでいた地域でも、15年ほど前に自主防災活動が組織されました。組織発足当時、たまたま自治会の役員をしていたことから、自主防災組織の救護班班長を、翌年は給食班班長を引き受けざるを得ない状況となり、自治会、そして自治連合会の役員として防災活動計画など色々なことを議論し活動しました。例えば、自治会活動の一環として、消防の協力を得て消火訓練や避難誘導、救出・救護の訓練をしました。他にも、災害時を想定した炊き出しや自治会費で共同購入した備蓄倉庫の資機材の内覧も行いました。
 当時を振り返ると、こういったイベントの時に頼りになったのが、地域に住む看護師の力でした。看護師ならではの鋭い生活や健康の視点での意見や活動協力は、自主防災活動を行う上でとても役に立つものでした。
 その後、我が家は別の地に引っ越したのですが、当時立ち上げた自主防災組織はその後も引き継がれ、立派なものになっているようです。そして自主防災組織には、どこかで看護に携わる人が関わり、その成長を助けているようです。地域の自主防災組織の運営に看護の視点はどんな影響を与えるのかなぁ・・・と今、このブログを書きながら思ったりします。

 9月は災害月間。災害看護は、みなさんご承知のところでしょうが、地域の自主防災組織など身近なところにも看護の力が求められるところはたくさんあるように思います。
 防災・減災への取り組みは、自助だけでなく共助が大切。地域のつながりによる防災対策に、看護がどれほどの力を発揮できるのか、こんな研究をされても面白いかもしれませんね。

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一つひとつの“ことば”にこだわること2019/08/22(木) 12:40:54 RSSにてレス一覧を表示
金城大学看護学部 ・ 久米 真代さん
 近畿・北陸地方会会員の皆様、初めまして。金城大学の久米と申します。

 今回は、暦の上では秋になりましたが、まだまだ続く猛暑にも負けず咲く朝顔にちなみ、加賀千代女の句をご紹介させていただきます。加賀千代女は江戸時代に本学がある白山市(旧松任町)に生まれ、幼い頃から俳諧に親しんでいたと伝えられています。有名な句に「朝顔に つるべ取られて もらい水」があります。皆様も一度は耳にされたことがあるのではないでしょうか。この句は後に「朝顔や つるべ取られて もらい水」に修正されています。千代女が変更したのは“に”と“や”のたった一文字ですが、受ける印象が大きく違います。このように一つのことばを吟味していくことは、卒業論文を書く時に恩師から徹底的にご指導いただいたことでした。卒業してからウン十年が経ちましたが、この教えは研究を計画し遂行する時、論文をまとめる時の私の礎になっています。とはいえ、文章力はそう簡単に向上するものではなく、苦悩の毎日です。皆様も日々のお仕事に疲れた時、頭をリフレッシュしたいときには、ぜひ、千代女の里俳句館を訪ねてみてください。千代女の豊かな感性で詠まれた句をそっと口に出すと、その言葉から大きなアイデアが生まれるかもしれません。

 また、7月のリレーブログでご案内がありましたように、2020年3月21日に第33回近畿・北陸地方学術集会が開催されます。私も皆様と同じ参加者として、「健康寿命UPを目指す看護研究と看護実践」をテーマとした多彩なプログラムが予定されている学術集会を心待ちにしております。一般演題の登録も2019年10月1日から始まるようです。多くの皆様が日々丁寧に取り組んでおられる研究成果をご登録くださることを願っております。


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【ご案内】日本看護研究学会第33回近畿・北陸地方会学術集会2019/07/30(火) 12:16:11 RSSにてレス一覧を表示
聖泉大学看護学部・安孫子尚子さん
クリックにて拡大表示 聖泉大学看護学部の地域看護学を担当しております安孫子尚子と申します。
 長い梅雨が明け、ようやく夏到来です。小山敦代学長の“元気が一番!”を合言葉に本大学の紹介と日本看護研究学会第33回近畿・北陸地方学術集会のご案内を申し上げます。
 聖泉大学は滋賀県彦根市にあり、人間学部と看護学部、大学院看護学研究科、別科助産専攻を有する私立のスモールをメリットとする大学です。看護学部は2011年に開設、2015年には大学院看護学研究科および別科助産専攻を開設しました。看護学部は看護師、保健師(選択制)、別科助産専攻では助産師の国家試験受験資格取得が可能です。大学院看護学研究科は、看護実践リーダーの育成を目指しています。
 教員の元気の源は、専門性をいかし、地域の看護実践者とともに行う看護の質の向上を目指した取り組みであり、「ナイチンゲール看護研究会滋賀」(城ヶ端初子教授)、「プレパレーション検討会」(流郷千幸教授)、「緩和ケア研究会」(磯邉厚子教授)などを定期的に開催しています。学生の元気の源は、地域に出向き、住民と交流する取り組みです。地域連携交流センターの学生地域交流委員は、彦根市消防団機能別消防団員(大学生団員)や防災訓練・避難所開設運営訓練、災害医療訓練や救急フェアーの参加、地域住民を対象に行う健康づくり講座のお手伝いやピンクリボンひこねのボランティア活動など1年をとおした地域貢献活動を行っています。私の元気の源は、看護学部や他学部の教員や学生、行政職員や看護職と一緒に行う地域貢献活動です。昨年度は、行政からの2年間の委託を受けて、地域住民が自らの健康づくりと地域づくりを促進するための「びんてまり体操」を人間学部の教員とともに開発しました。完成までの道のりは大変でしたが、多機関、多職種のメンバーとの楽しい時間でした。
 聖泉大学は、滋賀県で唯一の私立大学による看護教育機関として県内就職率70%以上の実績があり、規模は小さくとも大きな希望をもって、本学から巣立った看護師、保健師、助産師が、患者様、妊産婦様を含めた地域住民の健康づくりに貢献できるよう努力したいと思います。

 さて、来年、2020年3月21日(土)、聖泉大学で開催する近畿・北陸地方会学術集会についてご案内申し上げます。

日本看護研究学会第33回近畿・北陸地方会学術集会
テーマ:「健康寿命UPを目指す看護研究と看護実践」
プログラム:掲載しているチラシをご覧ください。
日 時:2020年3月21日(土)
場 所:聖泉大学(滋賀県彦根市肥田町720番地)
対象者:日本看護研究学会の会員・非学会員

 地方会ならではの学術集会として滋賀の魅力と、皆様に元気をお届けできればと考えております。皆さまのご参加をお待ちしております。

*詳細については、改めてホームページでお知らせいたします。
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国際リンパ浮腫フレームワーク・ジャパン研究協議会 第9回学術集会のご案内2019/06/28(金) 11:10:44 RSSにてレス一覧を表示
福井県立大学看護福祉学部・佐藤文さん
クリックにて拡大表示近畿・北陸地方会のみなさまへ
 福井県立大学の佐藤文でございます。日本列島がようやく梅雨入りし、ジメジメが更に増している福井から、福井で開催する学術集会について学術集会長 佐藤よりご案内申し上げます。

 【国際リンパ浮腫フレームワーク・ジャパン研究協議会 第9回学術集会】
  日時:7月7日㈰ 9:15〜17:00 (8:30開場)
  会場:福井県県民ホール(アオッサ 8階)    
  ホームページ: https://ilfj9.jp/

 「国際リンパ浮腫フレームワーク・ジャパン研究協議会」は、英国の看護学研究者モファット博士が2009年に設立した国際リンパ浮腫フレームワーク(International Lymphoedema Framework: ILF)の趣旨に賛同し、わが国において2011年に設立されました(理事長:東京大学大学院 真田弘美先生) 学術集会では、リンパ浮腫を含む『慢性浮腫(3か月以上持続する浮腫)』にかかわる多職種が年1回一堂に会し、慢性浮腫に関する諸問題について研究、ILFで実施する国際比較調査を実施し、この領域の学問の発展に寄与しています。
このたびの第9回学術集会のテーマは、「“生きる”を支える慢性浮腫ケア」としました。

 慢性浮腫は、取り除くことができず「浮腫を有する体」で生きていくことになります。このような浮腫を有する方々は、原発性・二次性リンパ浮腫のみならず、超高齢社会である日本の特徴として、“高齢者の慢性浮腫”があります。高齢者の浮腫、とくに下肢に見られる浮腫は「年をとっているから仕方ない」「動かないから…」と諦められているところもあります。しかし、我々はめていていいのでしょうか。高齢者が少しでも自分のことを自分でできるよう、その人らしく生きていくためには、下肢の浮腫とどう向き合うか、ということにもつながると考えています。この慢性浮腫への取り組みについて、ご参加のみなさまと考える機会にしたくプログラムを企画いたしました。詳細は、ホームページをご覧ください。

 公開講座では、大本山永平寺 監院 小林老師による講演「病に生きる」です。病があり「治す」ことができないとなるとその病と「ともに生きる」というシフトチェンジも必要となります。我々医療者は、そういう方々に直面し、「何がその人らしい人生なのか」と考えながら援助しています。今回、小林老師に、この学術集会の公開講座として、医療者のみならず、一般のみなさまにも“生きる”こと、そして“人生を全うするか”についてお話いただけないか、とご相談申し上げましたところご快諾くださり、宗教家として、そして臨床人間学として「生・老・病・死」についてお話をいただけることになりました。
 この公開講座においでいただき、ご自身の人生について考える機会にしてみませんか?

 7月7日 七夕に、福井のアオッサで 会おうさ!
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奈良(ナラ)ティヴ研究会への誘い!2019/05/27(月) 12:11:03 RSSにてレス一覧を表示
奈良学園大学・松浦純平さん
 皆さま、こんにちは! 今月の5月1日からは新元号である「令和元年」が新たに始まりましたね。「令和」の出典となりました万葉集ゆかりの地が数多くあるここ古都奈良の地で「令和元年」を迎えることができますこと、日本看護研究学会近畿北陸地方会リレーブログに令和第一号として寄稿できますことを非常に嬉しく、光栄に感じております。

 奈良時代の西暦730年(天平2年)、聖武天皇の皇后である光明皇后の発願により創設されたのが悲田院と施薬院です。悲田院、施薬院では、病人の治療、孤児の保護、諸国から献上された薬草を保管した東大寺の正倉院(世界遺産)から無料で貧民に施していたとの記録も残っています。また、光明皇后が自ら病人の「看護」を行ったとの伝承もあります。

 私の勤務している奈良学園大学では、本学大学院教授であり、ナラティヴ・コミュニケーション研究所代表でもある心療内科医師の中川晶先生が中心となり定期的にナラティヴ研究会を開催しております。中川晶先生はロンドン大学キングズカレッジにてNBM(Narrative Based Medicine)の研究に取り組まれ、ナラティヴ・コミュニケーションについての国内の第一人者です。以下、中川晶先生からのメッセージです。

 ナラティヴという言葉はいつの間にか様々の分野に浸透してきましたが、いまだに「理念は分かるがどのような実践がナラティヴなのか判然としない」という声があちこちで聞こえます。そのうちナラティヴは現場では使えないのではという声も出るようになり一時の勢いを失いつつあるようにも思えるこの頃です。しかし、逆に今だからこそ、我々はしっかりと臨床に根ざしたナラティヴ・アプローチを目指したいと思います。

 我々が臨床と定義するのは日常医療現場だけではなく、ターミナルケア、癌告知、心理臨床、様々な福祉や介護現場やその他あらゆる人を直接援助する活動までを含みます。すでに英国ではNBMがEBMとともに医療の基盤として認められ始めています。本研究会は英国のNBMの研究・実践をする仲間とも連携を取りながら、我が国独特の文化的・社会的背景も視野に入れたナラティヴ・アプローチの研究・実践を進めていきます。現在、会員は40名ほどで、奈良学園大学登美ヶ丘キャンパスで、2ヶ月に1回研究会を開催しています。会員は様々で、医師、看護師、大学教員、臨床心理士、鍼灸師、保健師など多職種の方々が参加しています。

 ぜひ、光明皇后が行った「看護」の息吹の地、また「令和」の出典となった万葉集ゆかりの地の“聖地巡礼”を兼ねて、新緑が美しい古都奈良の地へ訪ねて、ナラティヴ研究会で新しい視点からナラティヴ・アプローチについて一緒に考えてみませんか。



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