日本看護研究学会雑誌発行50周年記念誌
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The 50th Anniversary 2018年度奨励賞 2018年度奨励賞 2018年度奨励賞 2018年度奨励賞奥田  淳丸山 純子久保 典子宮城島 恭子奈良県立医科大学 医学部看護学科精神看護学 2019年日本看護研究学会第45回学術集会におきまして、2018年度奨励賞を受賞しました。受賞論文は「閉じこもり傾向にある地域在住高齢者への心理ケアに関する研究─懐メロを用いた回想法による介入の評価─」です。受賞のお知らせが届いたときは大変うれしく、研究者として認められた思いでした。また研究者としての道を進んでいくことへの自信にもなりました。この研究で多大なご指導をいただきました軸丸清子先生にすぐにお伝えし、大変喜んでいただけたことがうれしく、今でも忘れられません。軸丸先生には大変感謝しております。共同研究者の上平先生、鈴木先生、鳥塚先生にも感謝申し上げます。 現在は精神看護領域において、司法精神医療の地域支援に関連した研究、司法精神障害者と看護師の関係性に関連した研究を中心に行っています。また、このような素晴らしい賞を受賞できるように研究活動に尽力していきたいと思います。新見公立大学 健康科学部看護学科 貴学会の創立50周年を祝し、謹んでお慶び申し上げます。奨励賞受賞の通知を開封した時の驚きや喜びは、忘れることができません。対象となった論文は、自身の看護実践から問い続けていたもので、介護老人保健施設における看護職がターミナルケアを実践する上での困難さに関して修士論文としてまとめたものが基盤でした。当時、子どもが寝静まった傍らで、データの言葉の真意をつかみ取るべく、耳を澄ましたヘッドホンからの声の響きや息遣いは今でも鮮明に耳に残っています。また、授賞式では学生時代の恩師に巡り合うこともでき、時代を超えた看護の普遍性に胸が熱くなりました。研究にご協力していただいた多くの方々、ご指導いただいた先生方、貴学会の皆さまに心より感謝申し上げます。 現在、私は大学教員として教育と研究に携わることができており、今後も在宅看護や学校保健、食支援などの看護の発展に微力ながら貢献できるよう精進して参ります。 「臨床経験10年以上の看護職者の針刺し反復に影響する要因─パーソンアプローチの観点から─」は、全国890名の看護職の方々にご協力を頂いた賜物で調査で21,す。経験年数が長い看護職であっても針刺しを反復しており、その要因として、看護基礎教育で安全教育を受けていないこと、リキャップや採血時の分注を行うこと、針捨て容器の不持参等が示されました。共著の4名の方々は博士後期課程で多大なご指導を頂いた恩師です。授賞式当日は、先生方もご発表、座長とお忙しく、私はプログラムを確認しながら会場の先生方をお一人ずつ探し、賞状をお届けしました。先生方から祝福の言葉を頂き、長年のご恩に深謝した忘れられない日です。論文を引用していただくと研究者として微力ながら貢献できたようで嬉しく思います。今後も、看護基礎教育における領域横断的な安全教育をテーマに、研究を進めていきたいと存じます。 2018年度の奨励賞をいただくことができ、研究対象者となってくださった皆様方、共著者、分析過程でご助言くださった先生方、査読や選考に関わってくださった先生方に感謝しております。受賞論文は、質的研究であり、初めて修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を用いて取り組んだものです。概念・カテゴリー生成時には生みの苦しみがありましたが、学位論文ではなかったので、共著者とは対等な立場でディスカッションを重ね、一緒にスーパーバイズを受けたことは貴重で楽しい思い出です。結果図も数えきれないくらい描き直したことを覚えていますし、査読者のご意見もブラッシュアップに有効でした。データ収集から投稿まで長期間を要したことは反省ですが、分析・執筆期間を通してじっくりとデータに向き合ってその意味を考え続けた経験は、その後も M-GTA など質的研究に取り組む基盤となっており、新たな意味を見出すという研究の醍醐味を感じました。神奈川工科大学 健康医療科学部看護学科浜松医科大学 医学部看護学科Japanese Society of Nursing Research 85

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