日本看護研究学会雑誌発行50周年記念誌
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,日本看護研究学会雑誌発行50周年歴代学術集会長 第49回学術集会会長 叶谷 由佳 本学術集会長を務める前に、実は2021年8月に他学会の学術集会長も引き受けており、この時期は新型コロ50第49回学術集会は、2023年8月19、20日にオンラインにて、9月30日までオンデマンドで開催し、無事終了いたしました。最終的に1140名の方にご参加いただき盛況に終えることができました。ナウイルス感染症流行の影響を受け、学術集会の開催方法を直前まで検討した結果、最終的にハイブリッドでの開催とし、オンラインの良さも経験しました。本学術集会はそれらの経験を生かし、完全オンライン開催といたしました。学術集会を完全オンラインとしたので、企画委員会も最初からオンラインとしました。その結果、企画委員の依頼は地域を考える必要がなくなり、本学会の特徴である地方会の代表者に企画委員に参加いただき尽力いただきました。その他、広い地域から多くの企画委員に参加いただきました。学術集会のテーマは新しい学術集会のあり方を検討することと第50回学術集会につなげることも意図し、「看護の可能性の探究」というテーマとし、そのテーマにあう企画を企画委員会で検討しました。看護学から他分野への発信や他分野との融合で新たな研究を創造するのに役立つプログラムで構成しました。日本薬理学会、日本生理人類学会、看護理工学会などの他学会との共催やジョイントでの企画も多く取り入れました。新たな学術集会のあり方も検討したいという思いもあり、メタバースについてはDX 展などで情報収集をしておりましたが、当初は技術的にもまだ満足するレベルになく費用面でも難しいと考えておりました。しかし、(横浜市立大学 医学部看護学科)開催年になって DX に詳しい企画委員を加えて情報収集したところ、この分野は技術の進歩がすさまじく私たちが情報収集を始めた頃から数年で本学術集会規模でも導入可能で費用も安価なシステムが開発されており、最終的にメタバースによる学術集会開催が実現できました。そのため、台風などの自然災害や交通障害などの影響を受けて開催不能や参加者が現地に来れないという支障はなくなりましたが、今回の方法は電源に依存する方法であり、別の心配が出てきました。もし停電が生じたら、学術集会そのものが開催できなくなります。そのため、当初は拠点を私の所属する大学の1か所にする計画でしたが、1か所だと、そこが停電するとすべてストップしてしまいます。そこで、コンベンション会社の判断もあり、東京にも拠点を置き、2拠点で運営することになりました。当日は晴天となり、とりあえずは、停電の心配もなく始められましたが、夏の気候は不安定になることもあり急にゲリラ豪雨にならないか等、心配でしたが、何事もなく終了し、安堵しました。参加者アンケートより、操作が分からなかった等、ご迷惑をおかけした方もいましたが、メタバースの機能を上手に活用して参加くださった方も多数いたことが分かりました。私自身、オンライン、オンデマンドでほぼ全プログラムを視聴することができ、非常に視野が広がりました。学術集会を振り返って

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