日本看護研究学会雑誌発行50周年記念誌
56/114

日本看護研究学会雑誌発行50周年歴代学術集会長第45回学術集会長 泊  祐子第45回学術集会長を務めさせていただきました泊祐子です。メインテーマは『研究成果をためる つかう ひろげる─社会に評価される看護力─』としました。まずメインテーマの検討に際し、企画委員会を立ち上げた2017年当時の看護学・看護実践および保健医療を取り巻く社会情勢について鑑み、1990年以降の看護系大学における専門看護師養成、看護基礎教育の学士課程教育への発展を実現してきたが、看護実践を看護界だけでなく、他専門職や看護の利用者にもみえる化する必要性を感じ、企画委員会委員長の鈴木久美先生を中心に議論を重ねました。その結果、臨床で埋没している正当な看護力を可視化し、それを一過性に終わらせず、継続させていくためには、どのようにすればよいのか、社会に評価される確かな看護力を次世代に伝えていきたいと考えて付けたメインテーマでした。研究成果をためる・つかう・ひろげるを示すプログラムの検討まず、看護学では質的研究法がよく使われるようになっているが、今一度、質的研究を振り返るために、特別講演に質的研究の構築と発展 ─理論から実践へ─」、研究成果を政策に載せる視点を意識するために、基調講演「ケアの科学と政策」、成果研究の促進を狙い、教育講演Ⅰ「臨床研究データの集積と活用法 ─ Research Electronic DataCapture(REDCap)─」を企画した。次に、看護教育カリキュラムへの新たな実践を実現している大学を念頭に、教育講演Ⅱ「セラピーアイランド淡路島の構築を基盤とした地域活性化と看護教育カリキュラム開発」、看護実践の成果の継続を図る視点から、教育講演Ⅲ「看護ガイドラインの基盤となる研究成果の活用と構(大阪医科薬科大学 名誉教授)築」を盛り込みました。シンポジウムでは、看護成果を広げると活用の視点から、以下の2つを入れました。シンポジウムⅠ: 社会にひろげる看護の成果・知恵・シンポジウムⅡ: 診療報酬につながる研究成果の示し一番の苦労は予算の確保プログラムの作成は楽しいものでしたが、一番の苦労は資金集めでした。大阪国際会議場の会場費が高いことから、参加人数の1300人見積もりでは、収入予算がか,なり不足し、寄付と雑収入で600万円以上を確保する必要があったことです。広報担当の真継和子先生を中心に、学術集会事務局長の赤澤千春先生と共に寄付や広告を積極的に集められるように、まず、広報に力を入れたこと、2つめに大阪医科大学病院の事務方に広告取りや寄付集めに協力してもらいました。大変感謝しています。また、近隣の病院周りをしたり、削れる予算はないかと会計担当寺口佐興子先生が、穴が空くほど予算書とにらめっこ。近畿北陸地方会の世話会のメンバーにも協力をしてもらい、どうにか、予算を確保できた覚えがあります。学術集会の成功は、プログラムの重要性はもとより、予算の確保やボランティアで助けてくれる実行委員の方々の協力があって成立できるものであることをしみじみと感じた学術集会の開催でした。多くの皆様に支えられて学術集会を開催できたことに感謝しております。経験方・つかい方46第45回学術集会長を務めて

元のページ  ../index.html#56

このブックを見る